05 活動報告

2023.09.02

第9回 高校生病理学セミナー ~のぞいてみよう 病理の世界~ が開催されました

2023年9月2日(土)に、「2023年度 第9回 高校生病理学セミナー ~のぞいてみよう 病理の世界~」がZOOMウェビナ―を利用したWebセミナーとして開催され、大変多くの高校生、中学生の方にご参加いただきました。

講演1「ようこそ、病理検査室へ」
佐伯 春美 准教授(順天堂大学医学部 人体病理病態学講座)

病理診断科で実際に行われている仕事について、病理標本の作製を中心とした動画「病理検査室の一日」とスライドを用いてご紹介がありました。途中、参加者の皆さんにはクイズにも参加してもらいました。病理診断についての理解は、深まりましたでしょうか?

講演2「未来の病理医のキミへ ‒病理診断の今と昔とこれから‒」
小倉 加奈子 先任准教授(順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科)

実際に遠隔画像診断にも用いられている「バーチャル・スライド」を使用した実際の大腸がんの病理標本2種類の観察と解説や、顕微鏡発展の歴史を通して、医師(病理医)になるうえで大事な3つの力(観察力・想像力・分析力)と2つの心(好奇心・探求心)についてお話がありました。病理医の仕事を身近に感じていただけたでしょうか?

講演3「病理AI ~AIの開発方法と可能性~」
飯塚 統先生(メドメイン株式会社代表取締役CEO)

飯塚先生が医学部時代に起業されたきっかけから、なぜ病理AIを選んだのか、ご自身の経験を踏まえてお話いただきました。またAIについても、身近なAIの実用例などからAI全般の現状も交えてわかりやすくご解説いただき、さらには病理AIの開発、現在の取り組み、今後の可能性についてもご講演いただきました。ご視聴された多くの方が、AIが身近に感じられ、未来に向けてAIの発展に期待をもたれたのではないでしょうか。

質疑応答

参加者からの事前質問や当日のQ&Aに送られた質問に、講演の先生方全員の対話形式でお答えしました。さらに、後日、先生方にすべてのQ&Aへの回答をしていただき、参加者全員に、回答集を配布いたしました。

閉会挨拶
順天堂大学大学院医学研究科 人体病理病態学 八尾 隆史 教授

おわりに、「基礎研究医養成活性化プログラム」の概要説明と共に、本セミナー総括として、医学における「病理学」の位置づけと重要性、さらには将来的なAI活用への可能性にも触れてまとめとしました。


参加者からは、
「動画を見て、病理検査の具体的な過程が解った」
「1つ1つの作業が楽しそうだと感じた」
「病理に携わる様々な職種の方や、実際の検査のプロセスを学べて良い経験になった」
「バーチャルスライドで病理標本の画像を見れたのが楽しかった」
「様々な癌などの病気の細胞を見れて、何に見えるかなどの質問により、想像力が必要なことが理解できた」
「AIと職業について、AIがどのようなことをしているのかを知る事ができた」
「AIの利用が急速な進歩を遂げていることを知り、とても興味深かった」
「AIが病理医の仕事を奪うような内容なのかと思っていたが、病理医の不足による問題を解決するための手段だと理解し、今後の将来性を感じた」など、
多数の感想をいただきました。
また、多くの参加者から、今回のセミナーに参加して「病理学」への興味がさらに増したとのご感想をいただけたことを、大変嬉しく思います。
今回のセミナーをきっかけに、将来「病理学」や「病理医」への進路を志す方が少しでも増えることを期待しています。 今回ご参加いただいた方だけでなく、記事をご覧になって興味がわいた方は、是非次回のセミナーにご参加下さい!
  • 活動報告写真(1)
    質疑応答の様子:写真左上(司会・進行 高木)、右上(飯塚 統 先生)
            左下(小倉 加奈子 先任准教授)、右下(佐伯 春美 准教授)