05 活動報告

2024.02.24

第10回新潟大学・順天堂大学連携セミナーを開催しました

基礎研究医養成プログラムでは、研究医養成において連携している新潟大学から講師をお招きして、毎年基礎研究医を目指す学生向けのセミナーを行っています。
今年度は、2024年2月24日(土)15:00から、学生研究発表会に続きZoomによるWebセミナー形式で、第10回新潟大学・順天堂大学連携セミナーを開催しました。

講演者 岡本 徹先⽣

特別講演①は、本学学生運営代表の医学部5年生の村越和輝さんが司会を行い、順天堂大学医学部 微生物学講座 教授 岡本 徹 先生がご講演くださいました。
「ウイルスのレセプターを囮とした新型コロナウイルスの治療薬の開発」と題して、岡本先生の研究歴の紹介をはじめとして、新型コロナウイルスパンデミックを機に、他大学との共同研究にて、コロナウイルスの解析から治療薬開発に臨む過程、さらにはコロナ禍の共同研究を通して得られたウイルス学、共同研究の多様性について、熱意をもってご講演いただきました。
参加学生からは、アカデミアからの創薬について、今は薬にならなくても将来への期待と共同研究の力を示していただき、科学の発展に大きく貢献していることが分かった、研究の進展は紆余曲折があるという貴重なメッセージが伝わった、非常に興味深く、とくに新型コロナウイルスの研究を始めた当時のスピード感と共に実際に研究を進めていく上での苦労も含めて知ることができてよかったなど、コロナ禍を経験したからこそ、岡本先生の研究への熱意が実感され、多くの方が研究に興味が湧いたようです。

講演者 吉原 弘祐 先⽣

特別講演②は、新潟大学学生運営代表の医学部3年生の岡佑季さんが司会を行い、新潟大学医学部 産婦人科学講座 教授 吉原 弘祐 先生がご講演くださいました。
「みんなの故郷「子宮」の謎を解明する」と題して、ヒトの子宮における生理機能や形態的な恒常性への「謎」について、産婦人科医の立場から進めるゲノム解析と三次元構造解析を組み合わせた子宮の「謎」の解明について、さらには吉原先生らが提唱された「地下茎」構造という正常子宮内膜の組織学的構造の新しい概念について、臨床から研究まで両方の視点でご講演いただきました。
参加学生からは、形態学的変化がどうして起こるのか、それにどのような意義があるのか、大変興味深かった、臨床検体を用いた遺伝子解析から新たな仮説をたて、それを最新鋭の3D形態学で実証するところ(特に、地下茎の発見)は圧倒された、形態学的にも実験的にも検証している研究でありとても理解がしやすかった、最後に先生がおっしゃっていたように教科書の内容を鵜呑みにしてはならないと同時にまだわからないことは多いということを実感した、など、臨床的な疑問とそれに対する研究の進め方、また研究成果が発展する経過を感じ、多くの方が研究への期待を持たれたようです。