■2019.11.12
Scientific Reportsに本研究室の伝田香里特任助教の論文「Products of Chemoenzymatic Synthesis Representing MUC1 Tandem Repeat Unit with T-, ST- or STn-antigen Revealed Distinct Specificities of Anti-MUC1 Antibodies」が掲載されました。
腫瘍抗原MUC1に対する抗体が多数作製され、腫瘍マーカー(CA15-3)として広く用いられたり、MUC1特異的T細胞療法(CAR-T)への応用が試みられたりしています。しかしながら、これらの抗MUC1抗体がMUC1コアペプチドの、どこに、どのような糖鎖がついた構造を認識するのか、系統的な解析はなされていませんでした。本研究では、MUC1タンデムリピートの1ユニット中の5ヶ所のO-結合型糖鎖修飾可能部位に、4種類の糖鎖が結合した糖ペプチド20種類を酵素化学的に作製することで、13種類の抗MUC1抗体の多様な結合特異性を明らかにしました。この成果は、抗MUC1抗体の特異性に基づいた新たな診断、治療薬の開発に結びつくことが期待されます。
なお、本研究はAMED 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業「糖鎖利用による革新的創薬技術開発事業」の支援により、産業技術総合研究所との協力のもとに実施されました。
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https://www.nature.com/articles/s41598-019-53052-1 
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