03 プログラム教育内容

本学では、文部科学省の助成等により世界をリードする基礎臨床融合研究拠点として、アトピー疾患研究センター、老人性疾患病態・治療研究センター、環境医学研究所、スポートロジーセンター、先導的がん医療開発研究センター、ゲノム・再生医療センター、難病の診断と治療研究センター等が設立されています。各研究センターには基礎・臨床の教室が参加し、基礎臨床融合研究の環境が整備されています。
このような本学の特長を生かして、国際的研究レベルを持つ基礎医学研究者の育成と臨床への橋渡し研究を推進するPhysician-Scientist(研究医)の養成のためのプログラムを構築しています。

STEP 1

①研究に対するモチベーション・スキルを高める教育プログラム

  • 医学部1年次(M1)より研究に対する意識向上を狙った必修授業「医学研究入門 I」に加え、特別カリキュラム「医学研究入門 II」、「科学研究の基礎」、「科学研究ゼミナール」、「基礎医学研究医選択コース」等の選択により、研究法、論文検索・読解、研究倫理などを学びます。
  • M1対象スタートアップ支援として、研究活動を行っている学生によるセミナー「ランチタイムトーク」を開催しています。
  • 研究室紹介、オープンラボ、研究体験を通して、自分に合った研究室を選びます。キャリア支援相談室・専任チューターが研究室決定をサポートします。

研究開始から、プログラム仮登録

  • 2年次(M2)から、放課後や長期休暇などを利用して本格的に研究を開始します。
  • M2修了時までに、研究倫理に関するe-learningの受講と所属研究室で所定時間以上の研究を行うとプログラム仮登録となり、研究成果の学会発表等に旅費等支援を受けることができるようになります。
  • ポートフォリオシステムを活用し、教員・専任チューターによるきめ細かな指導を行います。

STEP 2

①プログラム本登録と大学院単位認定

  • M3の基礎ゼミ(カリキュラムとして基礎系研究室に配属され、5週間の研究実施)では、所属研究室での研究をさらに進め、その後も研究活動を継続することで、その成果について国内・国際学会での発表を行います。
  • M3修了時までに、大学院必修科目(大学院単位4単位分)受講、所定時間以上の研究活動等による選抜を経て本登録となります。大学院必修科目では、基礎医学から医療法制に至るまでの基本知識、実験・解析の方法、研究プロジェクト遂行と学位論文作成のための基礎を修得します。
  • 所属教室における研究活動について、研究、学会発表・論文作成等をポートフォリオシステムにより記録し、大学院単位(大学院単位6単位分)として認定します。
  • 学会発表に向けて英語・プレゼンテーションの指導、英語論文執筆について各種サポートが受けられます。
  • 国内・国際学会発表、海外短期研究留学のための旅費等支援が受けられます。旅費等支援額は、研究活動実績評価のレベルアップにより増加します。*

②大学院入学について

  • 奨学金の希望者にはM4から大学院4年次(D4)まで最大7年間の貸与が認められます。*
  • キャリア支援相談室のサポートを受けつつ、希望・適正に基づいた大学院コースの選択を行います。

*支援内容および奨学金詳細は、該当者はポートフォリオにて確認できます。

STEP 3

①4つの教育コース

本プログラムが定める下記の4コースから1つを選択し、基礎系大学院に入学します。希望者には、大学院1年次から4年次まで最大4年間の奨学金貸与も認められます。特に優れた大学院生には、奨学金月額が増額される可能性があります。学内プロジェクト研究費への応募が可能となるほか、令和二年度より大学院生に対しても海外学会参加の旅費補助が可能となりました。

基礎医学研究者育成コース:

国際的に活躍する基礎医学研究者を目指すコースで、臨床研修を行うことなく基礎系教室で基礎医学研究を継続します。ティーチングアシスタント(TA)採用により、教育経験を積むとともに、奨学金に加えて経済的支援を受けられます。

Physician-Scientist育成コース:

臨床経験を生かして最先端の基礎臨床融合研究を行い、成果を臨床応用するための研究(橋渡し研究)を推進する研究医を目指すコースです。学部時代に大学院単位 計10単位を先取り取得することで、初期臨床研修を並行して行うことが可能になります。初期臨床研修修了後は、研究センターのリサーチアシスタント(RA)採用により経済的援助を受けられます。

高度病理医育成コース:

平成29年度文部科学省「基礎研究医養成活性化プログラム」に採択された「福島関東病理法医連携プログラム『つなぐ』」の病理専門医養成プログラムです。本学、東京大学、福島県立医科大学の連携により、死因究明、遠隔病理診断、ゲノム医療の知識を持つ高度病理医の育成を目指すコースです。

社会医学系専門医育成コース:

社会医学系専門医を取得し、保健、医療、福祉、環境などに携わる社会医学系研究者、官公庁等で医療行政に携わる医系技官、WHO等国際機関で働く国際公務員などを目指すコースです。

②研究医としてのキャリア支援システム

大学院修了後は、本学の教員(常勤MD-PhD助教・特任助教)として採用され、研究を継続することが可能です。他の研究機関で奨学金貸与と同年研究職に従事した場合でも、審査で認められれば奨学金返済が免除されます。

基礎医学研究者育成コース:

大学院修了後、所属基礎系教室の助教として採用されます。現行の奨学金返済免除システムに加え、キャリア支援のため、大学院修了後5~6年目に准教授昇進の審査を行います。

Physician-scientist育成コース:

大学院修了後、特任助教として採用されます。チューターを担当しつつ医学研究を継続し、審査により優秀な研究・教育成果を上げたと認められた場合には、基礎系教室等の助教として採用されます。

高度病理医育成コース:

大学院修了後、病理学講座の助教として採用されます。キャリア支援のため、大学院修了後5~6年目に准教授昇進の審査を行います。

社会医学系専門医育成コース:

大学院修了後、社会医学系講座の助教として採用されます。本学助教等の研究職以外に、奨学金貸与と同年、官公庁等で医療行政に関わる業務に従事した場合、WHO等国際機関の公務員等として従事した場合も審査の上、奨学金返済が免除されます。