05 活動報告

2014.12.22

「愛南町の医療を考える会」に学生4名が参加し、河野智考君が発表しました

2014年8月18日~19日に愛媛県最南端に位置する愛南町で開催された「愛南町の医療を考える会」に、公衆衛生学講座谷川武教授の引率でM3内村綾那さん、河野智考君、難波春香さん、山田泰平君が参加しました。河野智考君は、「へき地医療についての考察~医学生の立場からの提言~」と題し、東京都のへき地医療についての発表を行いました。

発表体験記

河野智考君

医学生と看護学生を含む医療関係者が地域医療の現状と課題を学ぶ研究会「愛南町の医療を考える会」は、8月18日と19日、愛南町城辺甲の城辺社会福祉会館で開催されました。 “公衆衛生学の視点を持ちつつ、実際に五感をつかって地域を知る”という目的もあり、愛媛県の医療過疎地域、愛南町で行われています。町の地域医療に携わる医師らに加え、愛媛大学と順天堂大学の学生計33名が参加しました。7名の地域医療従事者による発表と並んで、私は「へき地医療についての考察~医学生の立場からの提言~」というタイトルで発表を行いました。

我々にとって身近な東京都のへき地を紹介した後、医学生が考える“へき地勤務に対する不安要素”、“その解決策”、“へき地医療に関する医療者の発想転換の必要性”の3つをポイントとして、若い医師が医療過疎地で働きたいと思う動機を強める要因についての提言をおこないました。質疑応答では、それぞれ特性を持つ地域に対してその提言が一般的に当てはまるのかということ、派遣元となる地域の中核病院が抱える資金不足・人手不足はどのように解決するのか等の意見が上がりました。医学生の立場からの意見ということで、実際にへき地医療に従事されている先生方からも高い評価を頂き、愛媛新聞でも発表に関するインタビューを取り上げて頂きました。講義で学んだ地域医療、今回の研修のために行った自己研究の内容を、地域医療に携わる先生方に向けて発表したことで、実際に従事する先生方でなければ分からない意見・フィードバックを沢山頂きました。なかでも、へき地ではその特性上医療圏と地域が地理的に一致していること、また、へき地は日本全体の20年後の医療状況を予見するものであることから、研究にも、臨床のトレーニングにも適したフィールドであるということは、新鮮な視点でした。地方の医療過疎が進行していく中、これからの医療を担う我々が状況の改善にどのように取り組み、同時に自らのキャリアにもつなげていけるのかということへの一つの展望を描くことができました。

懇親会では、愛南町特産の海の幸に舌鼓をうちながら、地元の医師、コメディカルの方々、医学生と交流しました。医療過疎地域の只中で活動されている方々の生の声、愛媛大の学生の故郷の医療に対する思いを聞くことができ、大変貴重な経験をすることができました。

今後も机上での勉強や疫学的な手法に終始するのではなく、積極的にフィールドに飛び込んでいくことによって、より現状に即した推論・分析・提言を行い、研究を進めていきたいと思います。この場を借りて、谷川先生をはじめ、一緒に参加したメンバー、愛媛大学の学生、このプロジェクトを支えて下さった先生方、スタッフの皆さま、基礎研究医養成プログラムの先生方に感謝申し上げます。

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