05 活動報告

2016.04.17

平成27年度韓国UNIST春期研究短期留学に松崎紘佑君と小笠原義史君が参加しました

基礎研究医養成プログラムでは、平成25年度より生化学第一講座横溝岳彦教授の紹介により、韓国UNIST(Ulsan National Institute of Science and Technology)への春期研究短期留学を実施しています。平成27年度は、平成28年2月29日~3月29日の30日間、2年生(留学時)の松崎紘佑君と小笠原義史君が参加しました。

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留学体験記

松崎紘佑君

がん細胞におけるシグナル伝達について研究しているDr.Yoon-Kyoung Cho の研究室で、線維芽細胞における腫瘍増殖に対するオートファジーの効果・がん関連線維芽細胞への分化転換の研究を行いました。2.5次元共培養やイメージングなど今まで行って来なかった実験ができたことは良い経験となりました。しかし、それ以上にUNISTを通して最も良かったと思うことは、自分の頭で理解していることをいかに他人に分かりやすく伝えるかということの大切さを学んだことです。私が所属したラボ(FRUITS)では週に2回グループミーティングがありました。プレゼンターが発表した後、参加者から遠慮なく、ここが分からない、詳しく教えて欲しい、などの質問が絶え間なく飛んでいたのが印象的でした。自分の考えを他人に分かりやすく伝えることで、研究に関する情報を共有しあう姿を見て非常に感銘を受けました。私も皆の前で研究成果を発表する機会がありましたが、自分が伝えたいことを英語で正確に伝える難しさを実感し、まだまだ未熟だと痛感致しました。このように今回の研究留学で自分には何が足りないかを再認識することができました。将来グローバルに活躍する基礎研究医を目指して、実験手技の習得や得られた結果から考察することはもちろん、英語力とプレゼンテーションの向上にも励みたいと思いました。

小笠原義史君

生命科学部Chunghun Lim教授の教室では、ショウジョウバエをモデルとしたサーカディアンリズムに関する研究を行っています。今回の留学では、主にスレオニン投与による睡眠促進について検討しました。また、Gal4-UASシステムを利用してRNAi誘導を行うことで、ドパミントランスアミナーゼ(GABAT) 及び、Shakerチャネルの睡眠における機能解析について学びました。Lim教授の教室では、各自が担当するジャーナルについて発表するものと、各自の実験の進行状況について発表する2つのセミナーがあります。留学中は、私も前者のジャーナルクラブで発表する機会をいただきました。また、大学院の講義や外部の研究者を招いた講演会も拝聴しました。あまり馴染みのない分野の研究に対して、よく分からないことが多く大変でしたが、大学院生の方々のご指導もあり、知識見聞を広めることができました。研究以外では、大学院生の方々に食事に連れていっていただいたり、買い物に付き合っていただきました。彼らは、韓国語の分からない私に適宜通訳してくださり、有り難かったです。今回の留学は、1ヶ月程度の短い期間でしたが、研究と真摯にじっくり向き合い、また異国の文化に触れることのできた、実りあるものとなりました。