05 活動報告

2018.07.27

第4回高校生セミナー「顕微鏡の世界 ―正常細胞とがん細胞の違い―」を開催しました

2018年7月27日(金)に、第4回高校生セミナー「顕微鏡の世界 ―正常細胞とがん細胞の違い― ~顕微鏡で観る細胞の世界, 一緒に覗いてみませんか~」が、本郷・お茶の水キャンパスにて開催されました。大変多くの方々にご参加いただき、大盛況の開催となりました。

午前の部:

「なぜ病理学?-治療に関わる医師として」
 矢形 寛 先生(埼玉医科大学総合医療センター ブレストケア科)

乳癌の治療をご専門とされている矢形先生から、病理学の重要性、最先端の分子生物学(遺伝学)を駆使したがん診断と、診断からみえる治療への応用(ゲノム医療)について、研究分野から臨床への橋渡し研究の大切さを踏まえて講演いただきました。
参加者からは、「このセミナーでしかお聞きすることが出来ないすばらしいお話がとても楽しかったです、病理も視野にいれて勉強をがんばっていこうと思いました、病理医という仕事は外科や内科に比べあまり聞かないので今回のセミナーで診断においてとても大切な役割をしていると知りました」、など臨床医療での病理の役割と魅力を実感された方が多かったようです。

  • 活動報告写真(1)

「病理医って誰?病理診断って何?」
 ワーク 「身の回りのものを病理診断してみよう」
 小倉 加奈子(順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科)

現役の病理医であるとともに、中高生を含めた教育まで幅広い活動を行っている小倉先任准教授から、病理医とは?病理診断とは?というシンプルな疑問についてわかりやすく説明がなされました。また参加者の皆さんには、ワークを実際にやっていただき、診断の意味と重要性が理解できたのではと思います。
参加者からは、「病理医という職業は今まで聞いたことがなかったけれど今回のセミナーを通して知ることができてよかったです、ワークでは見分けるのが難しかったけど面白かったです」、など病理診断への理解が深まったようです。

  • 活動報告写真(2)

午後の部:

「病理学研究のススメ」
 北野 隆之(順天堂大学大学院医学研究科 分子病理病態学 博士課程3年)

当プログラムに所属の現役大学院生である北野医師から、学生時代に基礎研究を始めたきっかけから、卒業後なぜ臨床病理を志したのかについての講演がありました。
参加者からは、「学生時代の基礎研究から大学院へのつながりについて参考になりました」など、学生時代の基礎研究について具体的にイメージがついた方が多かったようです。
  • 活動報告写真(3)

「病理実習へ向けて」
 橋爪 茜(順天堂大学医学部附属浦安病院 病理診断科)

現役病理医である橋爪助教から、顕微鏡の操作方法と実際の病理組織を使った標本の見方についての解説の後、参加者の皆さんはグループに分かれて病理標本実習を行いました。さらに、診断結果が優秀なグループには病理・腫瘍学講座 樋野 興夫教授より表彰がありました。
参加者からは、「実習標本はなかなか見分けがつかず難しかったですが、詳しい解説を聞くことができとても勉強になりました」、など病理診断の難しさ、楽しさを実感できたようです。
  • 活動報告写真(4)
このセミナー全体を通して、
「病気を診断する「病理医」という存在の重大さを知ることができ、実際にがん細胞を見ることができました、とても貴重な体験をすることが出来ました」、などセミナー内容には多くの方にご満足いただけたようです。
今回ご参加いただいた方だけでなく、ご参加が叶わなかった方や記事をご覧になって興味がわいた方は、是非次回のセミナーにご参加いただければと思います。
  • (病理標本実習の様子)
  • (樋野教授からの閉会の挨拶)