
2024.07.25
第10回 高校生病理学セミナー ~のぞいてみよう 病理の世界~ が開催されました
2024年7月15日(月・祝)に、「2024年度 第10回 高校生病理学セミナー ~のぞいてみよう 病理の世界~」がZOOMウェビナ―を利用したWebセミナーとして開催され、関東を中心に全国各地から大変多くの高校生、中学生の方にご参加いただきました。
講演1「病気になるってどういうことだろう?」
小倉 加奈子 教授(順天堂大学 医学部附属 練馬病院 病理診断科)
参加の皆さんへの質問も交えながら、「病理学とは?」という総論的な話から、病理学の位置づけ、また病理医の現状についてお話いただきました。さらには病理医になるために「想像力」が必要、という話を、実際の病理画像と、植物や風景画像との対比でわかりやすく解説をいただきましたので、「病理学」を実感していただけたのではないでしょうか。
講演2「病理診断のいまとこれから」
佐伯 春美 准教授(順天堂大学大学院医学研究科 人体病理病態学)
病理診断科で実際に行われている仕事について、病理標本の作製を中心とした動画「病理検査室の一日」とスライドを用いてご紹介がありました。さらに、最近は顕微鏡下だけではなく、デジタルパソロジーを使って診断ができる、ということを、実際のバーチャル顕微鏡画像を供覧しながら解説いただき、参加の皆さんにもデジタルパソロジーを体験いただきました。病理診断についての理解が深まったのではないでしょうか。
講演3「一生をハッピーに過ごす パソロジー というライフスタイル」
福岡 順也先生(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 情報病理学 教授)
病理医の仕事について、「病理医は診断に特化している」こと、また他の医師と病理医の違いとして「自由な時間の使い方」「留学のしやすさ」「デジタルパソロジーの利用」などについて、詳しくわかりやすく解説いただきました。さらには福岡先生の病理医としての海外留学でのご活躍や、また日常業務でのデジタルパソロジーを使った診断の様子、さらには最近の海外での活動など、幅広いご活躍の様子をお話いただきました。
質疑応答
参加者からの事前質問や当日のQ&Aに送られた質問に、講演の先生方全員の対話形式でお答えしました。さらに、当日回答できなかったご質問については、後日、参加者全員に回答集として配布いたしました。
閉会挨拶
順天堂大学大学院医学研究科 人体病理病態学 八尾 隆史 教授
おわりに、「基礎研究医養成活性化プログラム」の概要説明と共に、本セミナー総括として、医学における「病理学」の位置づけと重要性、さらには将来的なデジタル化の活用にも触れてまとめとしました。
参加者からは、
「「病理」というものが一体どういうものなのかを知ることができ、興味を持つことができた」
「病理医とは患者を病気にする仕事だという考えに、衝撃もありつつ深く納得した」
「病理検査室の一日の流れを知ることができた。また、同じ標本を複数人で顕微鏡で見ることができたり、細胞検査技師と言う職業があることも知ることができた」
「顕微鏡だけでなくデジタルパソロジーを用いてより早く診断や研究をすることができることを知り、とても興味深かった」
「検査室の動画やデジタルパソロジーの画像を見て、病理医にも様々な仕事があることがわかった」
「AIの活用や実用性、実際のパソロジストの生活などを知れてより興味関心が深まった」
「世界規模で活躍なさっていて、仕事に対する情熱がとても伝わった」
「病理医の仕事内容から最新の研究分野、キャリア形成に至るまで様々な角度からの情報を得られた」
「病理医とは何か、仕事の内容、AIの参入についてまで知ることができ将来の道に真剣に考えることができた」など、
多数の感想をいただきました。
また、多くの参加者から、今回のセミナーに参加して「病理学」への興味がさらに増したとのご感想をいただけたことを、大変嬉しく思います。
今回のセミナーをきっかけに、将来「病理学」や「病理医」への進路を志す方が少しでも増えることを期待しています。
今回ご参加いただいた方だけでなく、記事をご覧になって興味がわいた方は、是非次回のセミナーにご参加下さい!

質疑応答の様子:写真左上(福岡 順也 先生)、右上(司会・進行 高木)
左下(小倉 加奈子 教授)、右下(佐伯 春美 准教授)