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2023.02.28 (TUE)

  • スポーツ健康科学部
  • スポーツ健康科学研究科

さくらキャンパスにて千葉ロッテマリーンズ新入団選手9名の体力測定を実施しました!

2023千葉ロッテ新人体力測定_TOP

さくらキャンパスにて千葉ロッテマリーンズ新入団選手9名の体力測定を実施しました。順天堂大学は2019年から千葉ロッテマリーンズの医療面・コンディショニング面の全面的サポートをしており、スポーツ健康科学部でサポートしている取組みの1つである体力測定は今年で4回目の実施となります。

これからプロスポーツ選手としてのキャリアをスタートさせる選手たちが、現時点での自身の身体や体力、能力について認識することを目的に、本学教員のほか、大学院生もさまざまな測定を行い、選手たちへフィードバックを行いました。

測定に参加した大学院生の感想と合わせて、測定時の様子をご紹介します!

筋力の測定 担当教員:窪田敦之准教授(専門:スポーツ医学)

2023

専門的な機器を使用し、膝関節や肩関節の筋力を測定します。測定結果からは各選手の力発揮の特徴や現状の改善点などを客観的にみることができます。

膝関節の筋力については、大腿部の筋の硬さに着目してコンディショニングに関する研究を行っている井上美佳さん(博士後期課程3年)を中心に行いました。
正確なデータを得るためには、測定時に選手が力をしっかりと発揮することが重要です。井上さんは、「普段行わないような力発揮を行わせるため、力の出し方をできる限り選手が理解した上で本番の筋力測定を行うことができるよう注意していました。」と言います。さらに、大きな声掛けをし、選手が全力を出し切ることができるよう促しました。プロ野球選手を測定することについて「取得された結果についてだけでなく、測定にあたり選手へのアプローチの仕方などについても非常に勉強になり、貴重な経験となりました。」と話します。

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子(井上さん)

井上さんの掛け声のもと選手は力を出し切りました
肩関節の筋力については、肩関節のコンディショニングに関する研究を行っている佐伯悠里香さん(博士後期課程2年)を中心に行いました。3種類の角速度における角速度とトルクの関係性等に関して各選手の傾向をみることができます。
測定について、佐伯さんは、「選手とのコミュニケーションだけでなく選手の表情の変化にも注意してできるだけ疼痛や不快感なく進められるよう、ポジションのセッティングや休憩の取り方に注意していました。」と言います。今回の測定で、声掛けの仕方や伝え方について等、実践するからこその多くの気づきがあった様子でした。

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

選手にヒアリングしながら測定を進める佐伯さん
2人が所属するスポーツ医学(運動器系)研究室では、本学の長距離選手をはじめ、様々な競技者の筋力測定をこれまで継続しています。さらに、ケガ(スポーツ外傷・障害)によるリハビリ後の筋力評価も、ドクターやトレーナーと連携して行っています。そこで培われたノウハを、今回の測定、分析・フィードバックに活かすことができました。

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

選手へフィードバックを行う窪田准教授

体力測定全般 担当教員:河村剛光准教授(専門:測定評価学)

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

垂直跳や握力、背筋力等、計6項目を測定します。体力や筋力を可視化することで、選手自身が強みや弱みに気づくことができます。ここで得たデータは、トレーニング方針を考案する際の一助にもなります。この測定は、大学院生であり、「ユース野球選手の競技経験と育成方法」について研究している福家瑠都さん(大学院博士前課程3年)と「運動の巧さ(上手さ)」をテーマに研究している松本行矢さん(大学院博士前期課程2年)が中心となり行いました。

福家さんは、今回は4回目の参加です。選手の競技力向上に貢献したいという思いから、この測定に参加しています。プロ野球選手を測定する機会は滅多になく、「選手たちの身体能力の高さに驚いた。」と話します。また、3回目の参加となる松本さんも、体格の良い選手の迫力に驚いた様子でした。2人とも、アスリートを対象にするからこそ、「より安全に」「より正確に」測ることを意識して実施しました。選手たちには、継続的に測定をし、自身のデータを蓄積しトレーニングの成果等を検証することに役立ててほしいと考えています。

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

測定を補助する松本さん

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

選手へフィードバックする河村准教授

身体組成の測定 担当教員:町田修一教授、黒坂裕香助手(専門:運動生理学)

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

二重エネルギーX線吸収測定法で身体組成(体脂肪と徐脂肪体重)と骨密度を、腹部インピーダンス法で内臓脂肪を測定します。新たなスタートのタイミングで、身体組成を計測しておくことは、今後のトレーニング効果や、生活習慣を評価する上で、大変参考になります。また、選手としての自分自身の特徴を知ることにつながります。これらの項目を定期的に測定し、コンディション管理にも役立ててもらいたいと思います。

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

内臓脂肪測定の様子

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

選手へフィードバックする町田教授、黒坂助手

筋スティフネスの測定

2023千葉ロッテ新人体力測定_測定の様子

超音波画像診断装置を使用して、太ももの裏側にあるハムストリングという筋肉の柔軟性(伸びにくさ)を測定します。これは、野球選手で最も多い怪我である「肉離れ」を防ぐことにも役立ちます。怪我を防ぎつつ、ギリギリの練習をするのに有効なデータを得ることができます。

今回の測定で得た結果は、選手が怪我をせずに最高のパフォーマンスを発揮するために、重要なデータとして活用されます。
スポーツ健康科学部では、今後もスポーツサイエンスの観点から様々なサポートを継続していく予定です。
(関連リンク)
医学部とスポーツ健康科学部の最強タッグで 千葉ロッテマリーンズへの高水準のサポート体制がスタート:https://goodhealth.juntendo.ac.jp/sports/000084.html

研究者情報

[スポーツ健康科学部][スポーツ健康科学研究科]
町田 修一 教授

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[スポーツ健康科学部][スポーツ健康科学研究科]
黒坂 裕香 助教

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[スポーツ健康科学部][スポーツ健康科学研究科]
窪田 敦之 先任准教授

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[スポーツ健康科学部][スポーツ健康科学研究科]
河村 剛光 先任准教授

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